刑事訴訟法

第10章 検証


第百二十八条(検証)
裁判所は、事実発見のため必要があるときは、検証することができる。

第百二十九条(検証と必要な処分)
検証については、身体の検査、死体の解剖、墳墓の発掘、物の破壊その他必要な処分をすることができる。

第百三十条(時刻の制限)
日出前、日没後には、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代るべき者の承諾がなければ、検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。但し、日出後では検証の目的を達することができない虞がある場合は、この限りでない。
2 日没前検証に着手したときは、日没後でもその処分を継続することができる。
3 第百十七条に規定する場所については、第一項に規定する制限によることを要しない。

第百三十一条(身体検査に関する注意、女子の身体検査と立会い)
身体の検査については、これを受ける者の性別、健康状態その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。
2 女子の身体を検査する場合には、医師又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。

第百三十二条(身体検査のための召喚)
裁判所は、身体の検査のため、被告人以外の者を裁判所又は指定の場所に召喚することができる。

第百三十三条(出頭拒否と過料等)
前条の規定により召喚を受けた者が正当な理由がなく出頭しないときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、出頭しないために生じた費用の賠償を命ずることができる。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第百三十四条(出頭拒否と刑罰)
第百三十二条(身体検査のための召喚)の規定により召喚を受け正当な理由がなく出頭しない者は、十万円以下の罰金又は拘留に処する。
2 前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。

第百三十五条(出頭拒否と勾引)
第百三十二条の規定による召喚に応じない者は、更にこれを召喚し、又はこれを勾引することができる。

第百三十六条(召喚・勾引に関する準用規定)
第六十二条(令状)、第六十三条(召喚状の方式)及び第六十五条(召喚の手続)の規定は、第百三十二条(身体検査のための召喚)及び前条の規定による召喚について、第六十二条(令状)、第六十四条(勾引状、勾留状の方式)、第六十六条(勾引の嘱託)、第六十七条(嘱託による勾引の手続)、第七十条(勾引状・勾留状の執行)、第七十一条及び第七十三条第一項(勾引状の引致)の規定は、前条の規定による勾引についてこれを準用する。

第百三十七条(身体検査の拒否と過料等)
被告人又は被告人以外の者が正当な理由がなく身体の検査を拒んだときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。
2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第百三十八条(身体検査の拒否と刑罰)
正当な理由がなく身体の検査を拒んだ者は、十万円以下の罰金又は拘留に処する。
2 前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。

第百三十九条(身体検査の直接強制)
裁判所は、身体の検査を拒む者を過料に処し、又はこれに刑を科しても、その効果がないと認めるときは、そのまま、身体の検査を行うことができる。

第百四十条(身体検査の強制に関する訓令規定)
裁判所は、第百三十七条(身体検査の拒否と過料等)の規定により過料を科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたっては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。

第百四十一条(検証の補助)
検証をするについて必要があるときは、司法警察職員に補助をさせることができる。

第百四十二条(準用規定)
第百十一条の二(押収捜索と必要な協力)から第百十四条(責任者の立会い)まで、第百十八条(執行の中止と必要な処分)及び第百二十五条(受命裁判官、受託裁判官)の規定は、検証についてこれを準用する。

第九章 押収及び捜索

第十一章 証人尋問へ