第4章 海損(788~799)

商法もくじ


標準 2.0

第788条(共同海損-要件)

  1. 船長が船舶及び積荷をして共同の危険を免れしむる為め船舶又は積荷に付き為したる処分に因りて生じたる損害及び費用は、之を共同海損とす。
  2. 前項の規定は、危険が過失に因りて生じたる場合に於て、利害関係人の過失者に対する求償を妨げず。

第789条(同前-分担)

  • 共同海損は、之に因りて保存することを得たる船舶又は積荷の価格と運送賃の半額と共同海損たる損害の額との割合に応じて各利害関係人之を分担す。

第790条(同前-分担額の算定)

  • 共同海損の分担額に付ては、船舶の価格は到達の地及び時に於ける価格とし積荷の価格は、陸揚の地及び時に於ける価格とす。但、積荷に付ては、其価格中より滅失の場合に於て支払うことを要せさる運送賃、其他の費用を控除することを要す。

第791条(同前-分担者の有限責任)

  • 前2条の規定に依り共同海損を分担すべき者は、船舶の到達又は積荷の引渡の時に於て、現存する価額の限度に於てのみ其責に任ず。

第792条(同前-分担除外)

  • 船舶に備附けたる武器、船員の給料、船員及び旅客の食料並に衣類は共同海損の分担に付き其価額を算入せず。但、此等の物に加えたる損害は他の利害関係人之を分担す。

第793条(同前-分担請求からの除外)

  1. 船荷証券其他積荷の価格を評定するに足るべき書類なくして船積したる荷物又は属具目録に記載せさる属具に加えたる損害は、利害関係人に於て、之を分担することを要せす。
  2. 甲板に積込みたる荷物に加えたる損害亦同じ、但、沿岸の小航海に在りては、此限に在らず。
  3. 前二項に掲けたる積荷の利害関係人と雖も共同海損を分担する責を免るることを得ず。

第794条(同前-損害額の算定)

  1. 共同海損たる損害の額は、到達の地及び時に於ける船舶の価格又は陸揚の地及び時に於ける積荷の価格に依りて之を定め。但、積荷に付ては、其滅失又は毀損の為め支払うことを要せさりし一切の費用を控除することを要す。
  2. 第578条(価格を明告しない高価品)の規定は共同海損の場合に之を準用す。

第795条(同前-積荷の価格の不実記載)

  1. 船荷証券其他積荷の価格を評定するに足るべき書類に積荷の実価より低き価額を記載したるときは、其積荷に加えたる損害の額は、其記載したる価額に依りて之を定め。
  2. 積荷の実価より高き価額を記載したるときは、其積荷の利害関係人は、其記載したる価額に応じて共同海損を分担す。
  3. 前二項の規定は、積荷の価格に影響を及ぼすべき事項に付き、虚偽の記載を為したる場合に之を準用す。

第796条(同前-損害の回復)

  • 第789条(共同海損-分担)の規定に依りて、利害関係人が共同海損を分担したる後、船舶、其属具若くは積荷の全部又は一部が其所有者に復したるときは、其所有者は償金中より救助料及び一部滅失又は毀損に因りて生じたる損害の額を控除したるものを返還することを要す。

第797条(船舶の衝突)

  • 船舶が双方の船員の過失に因りて衝突したる場合に於て、双方の過失の軽重を判定すること能はざるときは、其衝突に因りて生じたる損害は、各船舶の所有者平分して之を負担す。

第798条(短期時効)

  1. 共同海損又は船舶の衝突に因りて生じたる債権は、一年を経過したるときは、時効に因りて消滅す。
  2. 前項の期間は、共同海損に付ては其計算終了の時より之を起算す。

第799条(準共同海損)

  • 本章の規定は、船舶が不可抗力に因り発航港又は航海の途中に於て碇泊を為す為めに要する費用に之を準用す。


<PR>

コメント


認証コード8402

コメントは管理者の承認後に表示されます。