令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験 過去問を聞いて覚えるページです。

令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験問題

※2023年11月29日更新


問1 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において「管理業法」という。)に定める賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う重要事項の説明(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明」という。)の内容に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

ア 管理業務の内容について、回数や頻度を明示して具体的に記載し、説明しなければならない。
イ 管理業務の実施に伴い必要となる水道光熱費や、空室管理費等の費用について説明しなければならない。
ウ 管理業務の一部を第三者に再委託する際には、再委託する業務の内容、再委託予定者を説明しなければならない。
工 賃貸住宅管理業者が行う管理業務の内容、実施方法に関して、賃貸住宅の入居者に周知する方法を説明しなければならない。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

答え.4

問2 管理受託契約重要事項説明に係る書面(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明書」という。)に記載すべき事項の電磁的方法による提供に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 賃貸住宅管理業者は、賃貸人の承諾を得た場合に限り、管理受託契約重要事項説明書について書面の交付に代え、書面に記載すべき事項を電磁的記録により提供することができる。
2 管理受託契約重要事項説明書を電磁的方法で提供する場合、その提供方法や使用するソフトウェアの形式等、いかなる方法で提供するかは賃貸住宅管理業者の裁量に委ねられている。
3 管理受託契約重要事項説明書を電磁的方法で提供する場合、出力して書面を作成することができ、改変が行われていないか確認できることが必要である。
4 賃貸住宅管理業者は、賃貸人から電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときであっても、その後改めて承諾を得れば、その後は電磁的方法により提供してもよい。

答え.2

問3 賃貸住宅標準管理受託契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年4月23日公表。以下、各問において「標準管理受託契約書」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 鍵の管理(保管・設置、交換及びその費用負担)に関する事項は、賃貸住宅管理業者が行うこととされている。
2 入居者から代理受領した敷金等は、速やかに賃貸人に引き渡すこととされている。
3 賃貸住宅管理業者は、あらかじめ入居者に通知し、承諾を得なければ住戸に立ち入ることができないものとされている。
4 賃貸住宅管理業者は、賃貸人との間で管理受託契約を締結したときは、入居者に対し、遅滞なく連絡先等を通知しなければならず、同契約が終了したときにも、管理業務が終了したことを通知しなければならないものとされている。

答え.1

問4 管理受託契約の締結時に交付する書面に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 管理受託契約を、契約の同一性を保ったまま契約期間のみ延長する内容で更新する場合には、更新時に管理受託契約の書面の交付は不要である。
2 管理受託契約重要事項説明書と管理受託契約の締結時に交付する書面は、一体の書面とすることができる。
3 管理受託契約は、標準管理受託契約書を用いて締結しなければならず、内容の加除や修正をしてはならない。
4 管理受託契約締結時の交付書面は、電磁的方法により提供することはできない。

答え.1

問5 賃貸住宅管理業者であるAが、賃貸人であるBとの管理受託契約に基づき、管理業務として建物の全体に及ぶ大規模な修繕をしたときに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 引き渡された建物が契約の内容に適合しないものであるとして、Aに対して報酬の減額を請求したBは、当該契約不適合に関してAに対し損害賠償を請求することができない。
2 引き渡された建物が契約の内容に適合しないものである場合、Bがその不適合を知った時から1年以内にその旨をAに通知しないと、Bは、その不適合を理由として、Aに対し担保責任を追及することができない。
3 引き渡された建物が契約の内容に適合しないものである場合、Bは、Aに対し、目的物の修補を請求することができる。
4 Aに対する修繕の報酬の支払とBに対する建物の引渡しとは、同時履行の関係にあるのが原則である。

答え.1

問6 次の記述のうち、管理業法上、賃貸住宅管理業者が、委託者の承諾を得て行うことが可能な管理業務報告の方法として正しいものはいくつあるか。

ア 賃貸住宅管理業者から委託者に管理業務報告書をメールで送信する方法
イ 賃貸住宅管理業者から委託者へ管理業務報告書をCD-ROMに記録して郵送する方法
ウ 賃貸住宅管理業者が設置する委託者専用のインターネット上のページで、委託者が管理業務報告書を閲覧できるようにする方法
エ 賃貸住宅管理業者から委託者に管理業務報告書の内容を電話で伝える方法
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

答え.3

問7 賃貸住宅の管理に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

ア 賃貸住宅が長期にわたり必要な機能と収益性を保持するためには、建物の劣化状況等の現状を知ることが必要であり、新築時とその後の維持管理の履歴情報の蓄積と利用は、必要なメンテナンスを無駄なく行うことにつながる。
イ 天井からの漏水が、建物の劣化に起因せず、上階入居者の使用方法に原因があると判明した場合、上階入居者が付保する賃貸住宅居住者総合保険と、建物所有者が付保する施設所有者賠償保険を適用できる。
ウ 貸室の引渡しにあたっては、鍵の引渡しの際に、管理業者と賃借人が立会い等により貸室の客観的な情報を残しておくことで、後日の修繕や原状回復に関するトラブルの防止にもつながる。
1 なし
2 1つ
3 2つ
4 3つ

答え.3

問8 管理業法に規定する秘密を守る義務に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 秘密を守る義務は、管理受託契約が終了した後は賃貸住宅管理業を廃業するまで存続する。
イ 賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、アルバイ卜も含まれる。
ウ 賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、再委託を受けた者も含まれる。
エ 株式会社たる賃貸住宅管理業者の従業者が会社の命令により秘密を漏らしたときは、会社のみが30万円以下の罰金に処せられる。
1 ア、イ
2 イ、ウ
3 ウ、エ
4 ア、エ

答え.2

問9 賃貸住宅管理業者が管理する賃貸住宅が建築基準法第12条第1項による調査及び報告を義務付けられている場合に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 調査及び報告の対象は、建築物たる賃貸住宅の敷地、構造及び建築設備である。
イ 調査を行うことができる者は、一級建築士、二級建築士又は建築物調査員
資格者証の交付を受けている者である。
ウ 報告が義務付けられている者は、原則として所有者であるが、所有者と管理者が異なる場合には管理者である。
エ 調査及び報告の周期は、特定行政庁が定めるところによる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

答え.4

問10 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」(国土交通省住宅局平成23年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

ア 借主の負担は、建物、設備等の経過年数を考慮して決定するものとし、経過年数による減価割合は、償却年数経過後の残存価値が10%となるようにして算定する。
イ 中古物件の賃貸借契約であって、入居直前に設備等の交換を行っていない場合、入居時点の設備等の価値は、貸主又は管理業者が決定する。
ウ 借主が通常の住まい方をしていても発生する損耗であっても、その後の借主の管理が悪く、損耗が拡大したと考えられるものは、借主が原状回復費用を全額負担する。
エ 経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能なものを借主が故意又は過失により破損した場合、借主は新品に交換する費用を負担する。
1 なし
2 1つ
3 2つ
4 3つ

答え.1

問11 原状回復ガイドラインにおける借主の負担に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 補修工事が最低限可能な施工単位を基本とするが、いわゆる模様合わせや色合わせについては、借主の負担とする。
2 タバコのヤニがクロスの一部に付着して変色した場合、当該居室全体のクリーニング又は張替費用を借主の負担とする。
3 畳の補修は原則!枚単位とするが、毀損等が複数枚にわたる場合、当該居室全体の補修費用を借主の負担とする。
4 鍵は、紛失した場合に限り、シリンダーの交換費用を借主の負担とする。

答え.4

問12 建物の構造形式に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 鉄筋コンクリート造は、建設工事現場でコンクリートを打ち込むので、乾燥収縮によるひび割れは発生しにくい。
2 ラーメン構造は、各節点において部材が剛に接合されている骨組であり、鉄筋コンクリート造の建物に数多く用いられている。
3 CLT工法は、木質系工法で、繊維方向が直交するように板を交互に張り合わせたパネルを用いて、床、壁、天井(屋根)を構成する工法である。
4 壁式鉄筋コンクリート造は、ラーメン構造と異なり、柱が存在しない形式で耐力壁が水平力と鉛直荷重を支える構造であり、特に低層集合住宅で使われている。

答え.1

問13 建築基準についての法令の避難規定に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア 共同住宅では、居室の各部分から直通階段までの距離の制限がある。
イ 共同住宅の6階以上の階には、居室の床面積にかかわらず直通階段を2つ以上設置する必要がある。
ウ 建築物の各室から地上へ通じる避難通路となる廊下や階段(外気に開放された部分は除く。)には、非常用照明の設置義務が課されている。
1 なし
2 1つ
3 2つ
4 3つ

答え.1

問14 建築基準法に規定する内装・構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 建築基準法では、内装材料など、内装制限に関する規定があるが、入居者の入替え時に行う原状回復のための内部造作工事は対象とならない。
2 建築基準法のシックハウス対策の規定は、新築だけでなく、中古住宅においても増改築、大規模な修繕や模様替えを行う場合に適用となる。
3 防火区画となる壁•床は、耐火構造としなければならず、区画を構成する部分に開口部を設ける場合には、防火扉や防火シャッターなどの防火設備としなければならない。
4 共同住宅では、隣接する住戸から日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するため、小屋裏又は天井裏まで達する構造とした界壁を設けなければならない。

答え.1

問15 シックハウスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 シックハウス症候群の原因は、建材や家具、日用品等から発散するホルムアルデヒドやVOC(揮発性の有機化合物)等と考えられている。
2 ホルムアルデヒドは建材以外からも発散されるため、ごく一部の例外を除いて、居室を有する新築建物に24時間稼働する機械換気設備の設置が義務付けられている。
3 天井裏、床下、壁内、収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、建材による措置、気密層・通気止めによる措置、換気設備による措置のすべての措置が必要となる。
4 内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材として、木質建材、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗装、仕上げ塗材などが規制対象となっている。

答え.3

問16 屋上や外壁からの雨水の浸入に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 屋上や屋根からの雨水の浸入は、防水部材の劣化や破損によって生ずるものやコンクリート等の構造部材のクラックや破損によるものなどであるが、いずれの場合も部分補修で十分である。
2 出窓からの雨水の浸入は、出窓の屋根と外壁との取り合い箇所やサッシ周りが主な原因となることが多い。
3 外壁がタイル張りの場合は、タイルの剥がれやクラック、目地やコーキングの劣化に起因する漏水は発生しにくい。
4 レンジフード、浴室、トイレの換気扇の排気口からの雨水の浸入による漏水は発生しにくい。

答え.2

問17 外壁の劣化に伴って現れる現象に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア タイル外壁やモルタル外壁等に多く発生する現象は、外壁を直接目視することによって確認するほか、外壁周辺におけるタイルなどの落下物の有無によって確認できることがある。
イ 外壁面の塗膜及びシーリング材の劣化により表面が粉末状になる現象は、手で外壁などの塗装表面を擦ると白く粉が付着することによって確認できる。
ウ モルタルやコンクリート中に含まれる石灰分が水に溶けて外壁表面に流れ出し、白く結晶化する現象は、内部に雨水等が浸入することにより発生し、目視によって確認することができる。
1 なし
2 1つ
3 2つ
4 3つ

答え.4

問18 排水・通気設備等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア 公共下水道は、建物外部の下水道管の設置方法により、汚水、雑排水と雨水を同じ下水道管に合流して排水する合流式と、雨水用の下水道管を別に設けて排水する分流式がある。
イ 1系統の排水管に対し、2つ以上の排水トラップを直列に設置することは、排水の流れを良くする効果がある。
ウ 排水管内の圧力変動によって、トラップの封水が流出したり、長期間排水がされず、トラップの封水が蒸発してしまうことをトラップの破封という。
1 なし
2 1つ
3 2つ
4 3つ

答え.2

問19 電気・ガス設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 高圧受電は、高圧受変電室を設置して、標準電圧6,000ボルトで受電し、大規模な建物などの照明コンセントや給排水ポンプ、空調機器などの動力設備で使用する電気を供給する方式である。
2 単相2線式は、電圧線と中性線の2本の線を利用する方式であり、200ボル卜の電力が必要となる家電製品等を使用することができる。
3 プロパンガスのガス警報器は、床面の上方30cm以内の壁などに設置して、ガス漏れを検知して確実に鳴動する必要がある。
4 近年、ガス設備の配管材料として、屋外埋設管にポリエチレン管やポリエチレン被覆鋼管、屋内配管に塩化ビニル被覆鋼管が多く使われている。

答え.2

問20 賃料に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 貸主が支払期限を知っている通常の場合、賃料債権は、5年の消滅時効に服する。
2 建物賃貸借契約における賃料は、建物使用の対価であるので、貸主は、借主が使用する敷地の対価を当然に別途請求することができる。
3 貸主が死亡し、その共同相続人が賃貸住宅を相続した場合、遺産分割までの賃料債権は、金銭債権として、相続財産となる。
4 借主が滞納賃料の一部を支払う場合であって、弁済充当の合意がないときは、支払時に貸主が指定した債務に充当され、借主はこれに従わなければならない。

答え.1

問21 管理業法における管理受託契約に基づく管理業務で受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭(以下、本問において「家賃等」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1 家賃等を管理する口座と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座の分別については、少なくとも、家賃等を管理する口座を同一口座として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座と分別すれば足りる。
2 家賃等を管理する帳簿と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿の分別については、少なくとも、家賃等を管理する帳簿を同一帳簿として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿と分別すれば足りる。
3 家賃等を管理する口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に管理報酬分の金額を移し替えることは差し支えない。
4 賃貸住宅管理業者の固有財産を管理するための口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から家賃等を管理する口座に管理報酬分を控除した金額を移し替えることは差し支えない。

答え.2

問22 企業会計原則及び会計処理の基礎に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

1 企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを要約した基準である。
2 企業会計原則は、一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則の3つの原則により構成されている。
3 明瞭性の原則とは、企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、明瞭かつ正確な会計帳簿を作成しなければならないことをいう。
4 収益又は費用をどの時点で認識するかについて、発生主義と現金主義の2つの考え方があり、取引を適正に会計処理するためには、発生主義が好ましいとされている。

答え.3

問23 令和3年10月1日に締結された、賃貸住宅を目的とする賃貸借契約の借主の義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 大地震により賃貸住宅の一部が倒壊し、契約の目的を達することができなくなった場合、賃貸借契約は終了し、借主の賃料支払義務は消滅する。
2 大地震により賃貸住宅の一部が滅失した場合(ただし、契約の目的を達することは未だできるものとする。)、借主が賃料の減額請求をすることで賃料は減額される。
3 賃料債権が差し押さえられた場合、借主は賃料を貸主に支払ったとしてもそのことを差押債権者に通知すれば、差押債権者から取立てを受けず、以後賃料の支払を免れることができる。
4 賃料債権は、時効期間が経過しても消滅時効を援用する旨の意思表示がなければ消滅しない。

答え.4

問24 定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア 貸主が死亡したときに賃貸借契約が終了する旨の特約は、有効である。
イ 期間50年を超える定期建物賃貸借契約は、有効である。
ウ 定期建物賃貸借契約に特約を設けることで、借主の賃料減額請求権を排除することが可能である。
エ 契約期間の定めを契約書に明記すれば、更新がなく期間満了により当該建物の賃貸借が終了する旨(更新否定条項)を明記したと認められる。
1 なし
2 1つ
3 2つ
4 3つ

答え.3

問25 Aは賃貸住宅(以下、「甲住宅」という。)を所有し、各部屋を賃貸に供しているところ、令和2年、X銀行から融資を受けてこの建物を全面的にリフォームした。甲住宅には融資の担保のためX銀行の抵当権が設定された。Bは抵当権の設定登記前から甲住宅の一室を賃借して居住しており、CとDは抵当権の設定登記後に賃借して居住している。この事案に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。なお、各記述は独立しており、相互に関係しないものとする。

ア 賃借権の対抗要件は、賃借権の登記のみである。
イ Bが死亡し相続が開始した場合、相続の開始が抵当権の設定登記より後であるときは、相続人はX銀行の同意を得なければ、賃借権を同銀行に対抗することができない。
ウ AがX銀行に弁済することができず、同銀行が甲住宅の競売を申し立てた場合、cの賃借権は差押えに優先するため、賃借権をX銀行に対抗することができる。
エ AがX銀行に弁済することができず、同銀行が甲住宅の競売を申し立てEがこれを買い受けた場合、Eは、競売開始決定前に甲住宅の部屋を賃借し使用収益を開始したDに対し敷金返還義務を負わない。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

答え.3

問26 高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下、本問において「高齢者住まい法」という。)に基づく建物賃貸借契約(以下、本問において「終身建物賃貸借契約」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 終身建物賃貸借契約は、借主の死亡に至るまで存続し、かつ、借主が死亡したときに終了するが、これは特約により排除することも可能である。
2 終身建物賃貸借契約を締結する場合、公正証書によるなど書面によって行わなければならない。
3 終身建物賃貸借契約の対象となる賃貸住宅は、高齢者住まい法が定めるバリアフリー化の基準を満たす必要がある。
4 終身建物賃貸借契約では、賃料増額請求権及び賃料減額請求権のいずれも排除することができる。

答え.1

問27 Aを貸主、Bを借主として令和4年5月1日に締結された期間1年の建物賃貸借契約において、CはBから委託を受けてAと連帯保証契約を同日締結した。この事案に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア AB間の建物賃貸借契約が法定更新されると、AC間の保証契約も法定更新される。
イ Aは極度額の記載のない連帯保証契約書を持参してCと面会し、口頭で極度額について合意した上、Cの署名押印を得た。この場合も連帯保証契約は効力を生じる。
ウ Cが、Aに対して、Bの賃料その他の債務について、不履行の有無、利息、違約金、損害賠償などの額について情報提供を求めた場合、Aは個人情報保護を理由に情報提供を拒むことはできない。
エ Bが死亡すると、連帯保証契約の元本は確定する。
1 ア、イ
2 イ、ウ
3 ウ、エ
4 ア、エ

答え.3

問28 令和4年5月1日に締結された建物賃貸借契約と建物使用貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 建物賃貸借契約の期間が満了した場合、同契約が法定更新されることはあるが、建物使用貸借契約の期間が満了しても、同契約が法定更新されることはない。
イ 建物賃貸借では建物の引渡しが契約の成立要件となるが、建物使用貸借は合意のみで契約が成立する。
ウ 期間10年の建物賃貸借契約は有効だが、期間10年の建物使用貸借契約は無効である。
エ 契約に特段の定めがない場合、建物賃貸借契約における必要費は貸主が負担し、建物使用貸借契約における必要費は借主が負担する。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

答え.2

問29 管理業法の制定背景や概要に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 民間主体が保有する賃貸住宅のストック数は近年、減少傾向にある。
2 近年では、建物所有者自ら賃貸住宅管理業務のすべてを実施する者が増加し、賃貸住宅管理業者に業務を委託する所有者が減少している。
3 管理業法は、賃貸住宅管理業を営む者についての登録制度を設け、また、サブリース事業を規制する法律であり、特定転貸事業者には賃貸住宅管理業の登録を受ける義務が課せられることはない。
4 管理業法において、サブリース事業に対しては、行政による指示、業務停止等の監督処分がされ、また、罰則が科されることによって、事業の適正化の実効性が確保されるものとされているが、サブリース事業の適正化を図るための規定の適用対象は特定転貸事業者に限定されない。

答え.4

問30 管理業法における業務管理者に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 禁錮以上の刑に処せられ、又は管理業法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者は、業務管理者になることができない。
イ 賃貸住宅管理業者は、従業者証明書の携帯に関し、業務管理者に管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。
ウ 賃貸住宅管理業者は、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密の保持に関し、業務管理者に管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。
工 賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所の業務管理者として選任した者のすべてが欠けるに至ったときは、新たに業務管理者を選任するまでの間は、その営業所又は事務所において賃貸住宅管理業を行ってはならない。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

答え.2

問31 令和3年6月15日時点で既に賃貸住宅管理業を営み、管理戸数が200戸以上である管理業者Aに対する管理業法の規制に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア Aは、賃貸住宅管理業登録をしなくとも、令和4年6月15日以降、それ以前に締結した管理受託契約の履行に必要な限度で、賃貸住宅の維持保全を内容とする管理業務を行うことができる。
イ Aは、賃貸住宅管理業登録をしなければ、令和4年6月15日以降、賃貸人との間で新たに賃貸住宅の維持保全を内容とする管理受託契約を締結し、管理業務を行うことができない。
ウ Aは、賃貸住宅管理業登録をしなければ、令和4年6月15日以降、建物所有者との間で特定賃貸借契約を締結することはできない。
エ Aは、賃貸住宅管理業登録をしなくとも、令和4年6月15日以降、それ以前に締結した特定賃貸借契約に基づき、入居者との間で新たに転貸借契約を締結することができる。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ

答え.3

問32 勧誘者であるA法人(代表者B)は特定転貸事業者であるC法人から委託を受けて特定賃貸借契約の勧誘を行っている。勧誘者であるA法人の従業員Dが、自己の判断により、特定賃貸借契約の相手方となろうとする者に対し、故意に不実のことを告げるという管理業法第29条第1号に違反する行為を行った場合の罰則(6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこれらの併科)の適用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア A法人が罰金に処せられることはない。
イ 代表者Bが懲役又は罰金に処せられることはない。
ウ C法人が罰金に処せられることはない。
エ 従業員Dが懲役又は罰金に処せられることはない。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ

正解無し

問33 管理業法第2条第2項の「賃貸住宅管理業」に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 賃貸人から委託を受けて、入居者からの苦情対応のみを行う業務については、賃貸住宅の維持及び修繕(維持・修繕業者への発注を含む。)を行わない場合であっても、「賃貸住宅管理業」に該当する。
イ 賃貸人から委託を受けて、金銭の管理のみを行う業務については、賃貸住宅の維持及び修繕(維持・修繕業者への発注を含む。)を行わない場合には、
「賃貸住宅管理業」には該当しない。
ウ 賃貸人から委託を受けて、分譲マンションの一室のみの維持保全を行う業務については、共用部分の管理が別のマンション管理業者によって行われている場合には、「賃貸住宅管理業」には該当しない。
エ 賃貸人から委託を受けて、マンスリーマンションの維持保全を行う業務については、利用者の滞在時間が長期に及び、生活の本拠として使用される場合には、「賃貸住宅管理業」に該当する。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ

答え.2

問34 賃貸住宅管理業の登録に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 現に賃貸住宅管理業を営んでいなくても登録を行うことはできるが、登録を受けてから1年以内に業務を開始しないときは、登録の取消しの対象となる。
イ 賃貸住宅管理業者が法人の場合、登録は法人単位でなされ、支社・支店ごとに登録を受けることはできない。
ウ 負債の合計額が資産の合計額を超えている場合には、直前2年の各事業年度において当期純利益が生じている場合であっても、「財産的基礎を有しない者」として登録は拒否される。
エ 賃貸住宅管理業者である法人は、役員に変更があったときは、その日から3か月以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ

答え.4

問35 特定賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 特定転貸事業者と、再転貸を行うことを目的とする転借人との間で締結された転貸借契約は、特定賃貸借契約に該当する。
2 借主が、1年間の海外留学期間中、第三者に転貸することを可能とする条件でされた貸主と借主との間の賃貸借契約は、特定賃貸借契約に該当する。
3 借主が第三者に転貸する目的で賃貸借契約をする場合、転借人から受領する賃料と賃主に支払う賃料が同額であるときは、特定賃貸借契約に該当しない。
4 社宅として使用する目的で賃貸住宅を借り上げた会社が、その従業員との間で転貸借契約を締結し、転貸料を徴収して従業員を入居させる場合は、転貸料の多寡を問わず、貸主と当該会社との間の賃貸借契約は特定賃貸借契約に該当する。

答え.1

問36 賃貸不動産経営管理士に求められるコンプライアンスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 広告の記載と事実との相違が大きくなくても、その相違を知っていれば通常その特定賃貸借契約に誘引されないと判断される程度であれば、虚偽広告に該当する。
2 一定期間一定の額の家賃を支払うことを約束する趣旨で広告に「家賃保証」と表示する場合には、その文言に隣接する箇所に借地借家法第32条の規定により家賃が減額されることがあることを表示しなければ、誇大広告に該当する。
3 広告に「〇年間借上げ保証」と表示する場合には、その期間中であっても特定転貸事業者から解約をする可能性があることを表示しなければ、誇大広告に該当する。
4 良好な経営実績が確保されたとの体験談を用いる広告については、「個人の感想です。経営実績を保証するものではありません。」といった打消し表示を明瞭に記載すれば、誇大広告に該当しない。

答え.4

問37 管理業法上の業務状況調書や貸借対照表、損益計算書又はこれらに代わる書面(以下、本問において「業務状況調書等」と総称する。)の閲覧に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 特定賃貸借契約の勧誘者は、業務状況調書等の書類を作成・保存し、その勧誘によって特定賃貸借契約を結んだ賃貸人からの求めがあれば、これらを閲覧させなければならない。
2 特定転貸事業者が、業務状況調書等を電磁的方法による記録で保存する場合には、電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示される状態に置かなければならない。
3 特定転貸事業者は、業務状況調書等の書類を、事業年度ごとに、その事業年度経過後3か月以内に作成し、主たる事務所にまとめて備え置かなければならない。
4 特定転貸事業者は、特定賃貸借契約の相手方及び入居者(転借人)からの求めがあれば、営業所又は事務所の営業時間中、業務状況調書等の書類を閲覧させなければならない。

答え.2

問38 特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結したときに賃貸人に対して交付しなければならない書面(以下、本問において「特定賃貸借契約締結時書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 特定賃貸借契約書をもって特定賃貸借契約締結時書面とすることはできるが、特定賃貸借契約書と、特定転貸事業者が賃貸住宅の維持保全について賃貸人から受託する管理受託契約書を兼ねることはできない。
2 特定賃貸借契約締結時書面は、特定賃貸借契約を締結したときに遅滞なく交付しなければならない。
3 特定賃貸借契約締結時書面は、相手方と契約を締結したときのみならず、相手方との契約を更新したときにも、その都度作成しなければならない。
4 特定賃貸借契約締結時書面を電磁的方法で提供する場合、相手方がこれを確実に受け取ることができるよう、用いる方法について相手方の書面による承諾が必要である。

答え.2

問39 特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う相手方への説明(以下、各問において「特定賃貸借契約重要事項説明」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 特定賃貸借契約重要事項説明は3年以上の実務経験を有する者によって行わなければならないが、これを満たす従業員がいない場合には、このような実務経験を有する第三者に委託して行わせることができる。
2 特定賃貸借契約重要事項説明から特定賃貸借契約の締結までに、1週間以上の期間をおかなければならない。
3 特定賃貸借契約の相手方が賃貸住宅管理業者である場合、特定賃貸借契約重要事項説明は省略してもよい。
4 特定賃貸借契約期間中に、特定賃貸借契約重要事項説明を行うべき事項に変更があった場合は、契約更新時にその旨の説明を行わなければならない。

答え.3

問40 特定賃貸借契約重要事項説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 特定賃貸借契約において家賃改定日を定める場合はその旨を説明すればよく、これに加えて借地借家法に基づく減額請求について説明する必要はない。
2 特定賃貸借契約を賃貸人と特定転貸事業者との協議の上で更新することができることとする場合は、その旨を説明すればよく、更新拒絶に正当な事由が必要である旨を説明する必要はない。
3 特定賃貸借契約が終了した場合に賃貸人が特定転貸事業者の転貸人の地位を承継することとする定めを設ける場合は、その旨に加えて、賃貸人が転貸人の地位を承継した場合に正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないことを説明しなければならない。
4 特定賃貸借契約を定期建物賃貸借契約によらない建物賃貸借とする場合は、その旨に加えて、契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないことを説明しなければならない。

答え.3

問41 特定賃貸借標準契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年4月23日更新)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、特約はないものとする。

1 特定賃貸借標準契約書では、貸主は、借主が家賃支払義務を3か月分以上怠っている場合であっても、相当の期間を定めて当該義務の履行を催告することなく契約を解除することはできないとされている。
2特定賃貸借標準契約書は、賃貸住宅において借主が住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業(いわゆる民泊)を目的として転貸することは認めないことが前提とされているため、民泊を認める場合は、特約事項欄に記載する必要がある。
3 特定賃貸借標準契約書によれば、借主は、賃貸住宅の適切な維持保全を行うために必要な事項については、書面により貸主に情報の提供を求めなければならない。
4 特定賃貸借標準契約書によれば、特定賃貸借契約が終了した場合において借主が転借人から敷金の交付を受けているときは、これを転借人との間で精算し、転借人から貸主に敷金を交付させなければならない。

答え.1

問42 個人情報の保護に関する法律(以下、本問において「個人情報保護法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 個人情報取扱事業者が個人情報を取得する場合は、利用目的をできる限り特定して通知又は公表する必要があるが、要配慮個人情報でない限り、本人の同意を得る必要はない。
イ 個人情報取扱事業者が、個人データを漏えいした場合、不正アクセスにょる場合であっても、本人の数が1,000人を超える漏えいでない限り、個人情報保護委員会に報告する義務はない。
ウ 個人情報取扱事業者が委託先に個人データを提供することは、それが利用目的の達成に必要な範囲内であっても、個人データの第三者提供に該当するため、本人の同意を得る必要がある。
エ 取り扱う個人情報の数が5,000人分以下である事業者であっても、個人情報データベース等を事業の用に供している者には、個人情報保護法による規制が適用される。
1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ

答え.3

問43 賃貸取引の対象となる物件において人が死亡した場合の宅地建物取引業者の義務に関する次の記述のうち、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(国土交通省不動産・建設経済局令和3年10月公表)に照らして適切なものの組合せはどれか。

ア 取引の対象となる不動産における事案の有無に関し、宅地建物取引業者は、原則として、貸主・管理業者以外に自ら周辺住民に聞き込みを行ったり、インターネットサイトを調査するなどの自発的な調査を行ったりする義務がある。
イ 入居者が入浴中に溺死したときは、宅地建物取引業者は、次の賃貸借取引の際、原則として、借主に告知する必要がある。
ウ 入居者が死亡した場合、宅地建物取引業者は、死亡時から3年を経過している場合であっても、借主から事案の有無について問われたときは、調査を通じて判明した点を告知する必要がある。
エ 宅地建物取引業者が人の死について告知する際は、事案の発生時期、場所、死因及び特殊清掃等が行われた場合にはその旨を告げるものとし、具体的な死の態様、発見状況等を告げる必要はない。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 ウ、エ

答え.4

問44 賃貸住宅管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 「賃貸住宅の計画的な維持管理及び性能向上の推進について~計画修繕を含む投資判断の重要性〜」(国土交通省平成31年3月公表)では、高経年建物の大幅な増加や居住者側のニーズの多様化を背景に、空室率の上昇や家賃水準の引下げのおそれがあることから、賃貸住宅の貸主が中長期的な視点のもとで計画修繕するなどの投資判断を行うことの重要性が述べられている。
2 地価の二極化が進む中で不動産市場が活力を失い、借り手市場となって空室対策に苦しむエリアにおいて、入居率を維持し賃貸収入を確保するためには、借主の入替えに伴う新規入居者からの一時金収入と賃料引上げに期待する考え方を強化することが大切になっている。
3 既存の賃貸住宅経営の観点から優良な借主に長く契約を継続してもらう二ーズが大きくなり、借主の立場を重視した管理のあり方が要請されているが、借主は借地借家法で保護されていることから、借主を消費者と位置付けて消費者保護の観点から賃貸借関係を捉える必要はない。
4 「不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」(国土交通省平成31年4月24日公表)は、不動産流通業の役割として、資産価値の維持・向上を通じたストック型社会の実現、コミュニティ形成、高齢者見守りなど付加価値サービスの提供やエリアマネジメント推進を指摘した。

答え.1

問45 賃貸不動産経営管理士に期待される役割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 賃貸不動産の経営管理の専門家として、重要な政策課題や新しい賃貸住宅の活用のあり方につき、所属する管理業者に助言をして制度設計を進め、実際の業務の管理監督や実施を担うなど、当該課題の解決等に向けて積極的に関与する。
2 「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」を踏まえ、住宅扶助費の代理納付制度や残置物の取扱いに係る契約上の取扱いなどを貸主に対して説明して理解を求め、住宅確保要配慮者が安心して暮らせる賃貸住宅の提供に役割を果たす。
3 空き家所有者に対する有効活用の助言、賃貸借に係る情報やノウハウの提供、入居者の募集、賃貸管理の引受けなどの助言を通じ、空き家所有者が安心して賃貸不動産経営に参画できる環境を整備し、空き家問題の解決に役割を果たす。
4 所属する管理業者が「残置物の処理等に関するモデル契約条項」(法務省・国土交通省令和3年6月公表)に基づく解除事務受任者・残置物事務受任者である場合において、賃貸借契約中に借主が死亡した際の契約関係の処理にっき、借主の相続人の意向による影響を排除する立場で関与する。

答え.4

問46 賃貸不動産経営管理士に求められるコンプライアンスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 日頃から人権問題に関心を持ち、人権意識を醸成して自らの専門性を発揮するとともに、貸主に対しては差別が許されないことを十分に理解してもらい、自社の他の従業員に対して積極的に指導を行うなどして、賃貸住宅管理業界全体の社会的役割の実現と人権意識の向上に努めるべきである。
2 賃貸不動産経営管理士は、関係する法令やルールを遵守することはもとより、賃貸住宅管理業に対する社会的信用を傷つけるような行為や社会通念上好ましくない行為をしてはならないが、情報化社会の進展を背景として、自らの能力や知識を超える業務を引き受けることも認められる。
3 管理業者が、貸主からの委託を受けて行う管理業務は法律的には代理業務にあたることから、管理業者はもとより賃貸不動産経営管理士も当事者間で利益が相反するおそれに留意する必要がある。
4 所属する管理業者から、賃貸不動産経営管理士としてのコンプライアンスに基づけば選択するべきではない管理業務の手法を要請された場合、その非を正確な法令知識等に基づいて指摘するなど、高度の倫理観に基づき業務を行うべきである。

答え.2

問47 賃貸住宅の入居者の募集に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 入居希望者が独身の後期高齢者である場合、健康状態の確認のため、病歴を申告する書類の提出を求める必要がある。
2 入居希望者の年収と募集賃料とのバランスがとれていないと判断される場合であっても、契約者ではない同居人の年収の申告を求めるべきではない。
3 サブリース方式では、特定転貸事業者は借受希望者との交渉を任されている立場に過ぎず、最終的に入居者を決定する立場にはない。
4 入居審査のため借受希望者から提出された身元確認書類は、入居を断る場合には、本人に返却する必要がある。

答え.4

問48 保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 賃貸不動産経営には様々なリスクが存在するが、保険に加入することでそのリスクを一定程度軽減・分散することができる。
2 建物の火災保険の保険金額が3,000万円の場合、地震保険金額の限度額は3,000万円×50%=1,500万円であるが、火災保険の保険金額が1億1,000万円の場合の地震保険の限度額は1億1,000万円×50%=5,500万円とはならず、5,000万円になる。
3 近隣からの類焼による被害を受けても、失火者に重大な過失がある場合を除き、失火者には損害賠償責任を問えないため、類焼被害に対しては被害者自らが火災保険に加入して備えておく必要がある。
4 保険料は、保険会社が引き受けるリスクの度合いに比例するものでなければならず、例えば木造建物であれば構造上の危険度は同じであるため、保険料率は全国一律で定められている。

答え.4

問49 不動産の税金に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

ア 賃貸住宅と自宅とを併用する不動産を売却する場合、譲渡所得について事業用の特例と居住用の特例を組合せて採用することはできない。
イ 遊休土地にアパート等の居住用の家屋を建築した場合、その完成が令和4年1月15日であったときは、建物に関する令和4年の固定資産税は課税されない。
ウ 不動産の貸付が事業的規模であること、正規の簿記の原則により取引を記帳していること、及び電子申告要件等一定の要件を満たす場合には、青色申告による控除額は65万円である。
1 なし
2 1つ
3 2つ
4 3つ

答え.3

問50 プロパティマネジメント業務とアセットマネジメント業務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 プロパティマネージャーは、自らの業務に合理性があることについて、説明責任を負担しており、説明責任を果たすための客観的な根拠を準備しておかなければならない。
2 可能な限り既存の借主が退出しないように引き留め、維持しておくことは、アセットマネージャーの責務となる。
3 不動産投資について、資金運用の計画、決定・実施、実施の管理を行うのがプロパティマネジメントである。
4 アセットマネージャーは、プロパティマネージャーの指示のもとに、アセットマネジメント業務を担当する。

答え.1

【その他の過去問】
平成27年度 賃貸不動産経営管理士試験問題
平成28年度 賃貸不動産経営管理士試験問題
平成29年度 賃貸不動産経営管理士試験問題
平成30年度 賃貸不動産経営管理士試験問題
令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験問題
令和2年度 賃貸不動産経営管理士試験問題
令和3年度 賃貸不動産経営管理士試験問題
令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験問題
令和5年度 賃貸不動産経営管理士試験問題

【関連法律】
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律
借地借家法 
民法/賃貸借